パワービルダーより
1,000万円高くても
ガンガン売れる
建売会社のつくり方
実は、儲かっている建売会社や急成長している建売会社には、ある共通点があります。それは、中価格帯市場で戦っているということです。
具体的に説明しましょう。住宅業界でもっとも競争が激しいのは、パワービルダーが狙っている低価格帯市場です。建売会社のほとんどがこの市場を狙っていると言っても過言ではないでしょう。次に競争が激しいのは、ハウスメーカーが狙う高価格帯市場です。
パワービルダーが狙う市場は低価格帯、ハウスメーカーが狙う市場は高価格帯。だとすれば中小建売会社が狙うべき市場は、中価格帯。「低価格帯の家では満足できない、でもハウスメーカーの注文住宅は高すぎる…」そんな客層を魅了し、この市場を独占することです。
はっきり言って、この市場は競合が少なく、強い会社は多くありません。それにも関わらず、参入する建売会社が少ないのは、低価格帯より販売価格が高くなるから。価格が高いと売れないという先入観が新規参入を拒んでいるのです。
とはいえ、この市場に参入して急成長を遂げている建売会社もあります。私が以前コンサルティングをしていた建売会社もそのひとつです。
私がコンサルティングを依頼されたのは、自社で新築住宅を直接販売する建売会社でした。営業マンは全部で8人。不動産販売の経験者4人、未経験者4人という体制で、決して営業力が優れているという会社ではありませんでした。
仕入れに関しては、パワービルダー出身のベテラン社員と新人1人という2人体制。こちらも特別安い土地が仕入れられるルートがあるわけでもありませんでした。
そんな建売会社でしたが、商品企画を見直し、物件の見せ方と売り方を変えて中価格帯に進出すると、あれよあれよという間に急成長!わずか4年で販売棟数は70棟余りから240棟超の3倍に激増しました。
驚くのは販売棟数だけではありません。相場より高い価格でも当たり前のように売れるようになったのです。
この会社の物件価格は、同じような条件のパワービルダーの価格より1,000万円程度高く、近隣の競合物件より15%程度高いのが普通。競合が4,000万円で販売しているエリアに4,600万円で売り出しても完売できてしまう建売会社になったのです。
ここまで読み進めたあなたは、高くても売れる建売会社になることに強い関心を抱いたことでしょう。そして、この中価格帯市場に進出することに希望を感じたと思います。
そう感じるのは当然です。中小建売会社が建売業界で生き残るには、ライバルが少ない段階で中価格帯市場に参入し、ライバルが参入してくる前にこの市場を独占することが最も賢い方法だからです。
とはいえ、いきなり中価格帯市場に参入しても、簡単に売れるわけではありません。むしろ、逆。低価格帯市場と同じ売り方をすればするほど売れないのが中価格帯市場の特徴です。
必要なのは、価格が高くてもそれ以上に魅力を感じるような“味付け“。物件の見せ方と売り方を変えることによって魅力的な物件に料理する、その技術が必要なのです。
裏を返せば、その技術さえ身につけることができれば中価格帯市場を独占するのは難しくありません。地域によってはライバル不在のエリアもありますから、一気にあなただけの独占市場を築くことができます。